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Imaginary affair

※以下は全くどうしようもない妄想です。

歌詞の鑑賞

全くこの曲は、本日のような気分のときに聞くと「染みる」んですよねぇ……。

というわけで適当に解釈を加えてみます。

#1

陽だまりに揺れた白い風

おはようの精が窓に降りた
生温いスープ飲み干したら ほら
新しいシャツ着て出掛けよう

この辺りはいいですね。言葉通りだと思います。
白い風……カーテンがそよいでいるのでしょうか。
この情景描写は中々できないと思います。

転がる坂道に不安抱いて

しゃがみ込む背中を
鵯の声が撫でてく

「転がる坂道」とはなんでしょうか?
これは坂道を登って登校する風景だと思うのですが、いつ転げ落ちるかも分からない、危なっかしい坂道ということなのでしょうか?
違う気がします。
「不安」ということですから、危なっかしいというよりも「不安定」で「転げ落ちる」のが怖い、ということかもしれません。

ここから見える明日を追いかけていたい

小さくたって 汚れてたって
他にはない
遠く広がる丘に登りつめた時
何よりも輝いて僕等を照らし出すから

「ここから見える明日」というのは、恐らくこの曲の主人公が辿り着けない未来なのでしょう。
未来といっても、きっとそれは誰にでも普通に訪れるような平凡な毎日のはずです。
「他にはない」というのだから、あれにしようかこれにしようかと迷える状況ではないです。#2には「平凡だって」という部分があるので、ここは「矮小な」ということでしょう。

「小さい」というのはそういうことだと思いますが、「汚れている」とはどういうことでしょうか。
生活というのは少なからず誰かの犠牲の上に成り立っているものですが、ここではそういう意味ではないと思います。
「歪んでる」と併せて考えると、まず思いつくのは「罪」の意識ですが……過去に誰かを傷つけてしまい、しかもそれは、今となっては最早取り返しが付かなくなってしまった、ということでしょうか。

しかし「遠く広がる丘」に至る「坂道」には、「枷」といった印象はありません。
「僕等を照らし出す」のは、丘の向こうから昇る「朝日」に間違いはないと思いますので、「汚れてる」というのは「罪」というよりは「騙す」「嘘をつく」といった方向が正しいのかもしれません。

ここでは仮に、親しい人や自分自身についている「嘘」を「汚れてる」と表現したとします。
ではその「嘘」とはなんなのか。
この曲が使われているのは「こなたよりかなたまで」という作品ですが、主人公・遥彼方は末期ガンです。
発覚しても途中までは友人たちにも黙っているわけですが、そうすると、「嘘」というのは

  • 体調の不良について心配してくれる友人たちを、「大丈夫」などと言って騙す。
  • 自分がいなくなったとき、本当のことを知らなかった友人たちは悲しむだろう。これに対してすまなく思っている。
  • また、本当は未来なんかないのに、「ある」と思い込むことで心が折れないようにしているのを、自分を騙していると受け止めている。

ということなのでしょう。

#2

雨粒に濡れて傾ぐ花

まるであの時の君のようで
虹色の傘を差し掛けてみた
また笑顔を取り戻すといいな

ここもいいですよね。
登校して、午前中に雨が降り始める。
傘を差して歩き始めたら、坂道の途中に「傾ぐ花」を見つける。
「虹色の傘」というのは、一本ではなく、単色の複数の傘をみんなが差しかけた、ということだと想像してみます。

長過ぎる坂道 空は遥か

すり変わる景色に行き先も見失うけど

下りの坂道。雨雲に覆われ、空は雲の向こうの遥か遠くに行ってしまった。
行きと帰りで全く異なる景色(==「すり変わる景色」)に、ふと自分はどこか全く違う場所に来てしまったのではないかと不安になる。
孤独が苛み、「行き先」も見失ってしまう。

ここから見える明日にエールを贈ろう

切なさだって 淋しさだって
胸の波動
降り止まない雨などここにはないから
僕にだけ頷いて
その涙もう拭きなよ

「ここから見える明日」というのは、「叶うはずのない平凡な未来」。
そこで「普通の」生活をしている「別の自分」を想像してみると、うらやましいというよりは純粋に応援したくなる。
「切なさ」や「淋しさ」さえも、言ってみれば「全て想い出に変わる」といったところでしょうか。
そしてそれは、逆に「こちら側の」自分の胸を打つ。

行き先を見失い、幸せな未来に涙が溢れ、坂道の途中で立ち止まってしまう僕だが、君はそこに現れ、涙を拭ってくれる。
「頷く」というのは「本当のことを話す」ということだと思うのですが、そうすると「君」は「僕」を本当に理解していてくれて、何かを隠しているのにも気づいている。
きっと覚悟も出来ていて、その上で最後まで一緒にいると言ってくれる。
だから「私」の前ではせめて、笑って欲しい。

振り返る坂道

時に泣いた
弱虫な僕等の足跡に花が咲いてた

そして二人で歩き出す。
そんな「坂道」、つまり「過去」を振り返ってみると、こんな「僕」でも「君」の心に確かに存在していて、自分がいたことは決して意味のないことではなかった、と安堵する。
感極まってまた泣いてしまうのかもしれません。

ここから見える明日の絵日記描こう

平凡だって 歪んでたって
それが証し
何気ない顔をした朝日に会えたら
そよ風の真似をして
この道歩いてゆこう

「絵日記」とは、浮かんでは消えてしまう「未来」の記録。
「こうあれたらいいな」と思う形は、一人の時にはただ哀しくなるだけだったけど、二人一緒ならそんなことはない。
思い描いた未来を記録しておけば、またいつか挫折したときに、再び歩んでいくことが出来る。
そして夜を超え、「何気ない顔をした朝日」に出会うことが出来たら、人の心を和ませる「優しさ」を持った「そよ風」になれるように、この広い世界を感じながら、「この道」を歩いていこう。

タイトル

タイトルは「Imaginary affair」ですが、では果たして何が「Imaginary」なのでしょうか?
気づかれた方は気づかれたと思うのですが、実は最後の一節の部分は完全に「Imaginary」です。
「僕」には時間なんて残されていないのですから、「歩いていく」ことなど出来るはずがありません。
そうやって明るい未来に歩き出せる「自分」こそ「Imaginary」な存在であり、それがこの曲の味をまた引き立たせています。

或いは、最後の一説だけでなく、もしかしたら全てが「Imaginary」なのかもしれません。
全部夢で、目が覚めたら……ということなのかもしれません。

救いがあるようで、ないようで。
そんな「Imaginary affair」というのは、終わりを迎える誰かが思い描いた、束の間の夢だったのかもしれません。



comments (8) | trackbacks (0)

Comments

泣けた
| 2008/08/12 04:16 AM
「転がる坂道」も人生の軌跡と思った方がなんとなく合うような

癌により短い人生の様を、人生のレールから外れて転げ落ちている
と言いたかったんじゃないのかな〜?と改めて思いました。

ゲーム、曲ともにすばらしい作品で
未だに、この曲を聴くとゲームを思い出して泣きそうになります
| 2011/01/22 02:03 PM
随分前の記事なのにコメントありがとうございます。

どうなんでしょうね。確かにそのように考えることもできますね。ご意見ありがとうございました。

「Imaginary affair」はGirl's Compilation #6に収録されましたが、EDの「こなたよりかなたまで」はゲーム付属のサントラ以外では入手できない状態が続いていました。おととしの冬コミの「Mania Tracks Vol.2」に収録されましたが、そろそろ普通に入手できるようにしてほしいですね。まぁ、難しいのかもしれませんが…。
nakatomo@管理人 | 2011/01/23 12:46 PM
深い歌詞だよね。久しぶりに聞くとゲームを思い出して泣いてしまう。でも自分も頑張ろうという気持ちになる(・∀・)
| 2011/07/10 03:13 AM
「雨粒に濡れて傾ぐ花・・・」のところは自分的には昔の母親を亡くした時期の彼方のことを主に言ってるんじゃないかと思う。
その花を見た佳苗が、本気で笑わなくなった彼方と重ねて、「また笑顔を取り戻すといいな」に繋がるんじゃないかと自分は思います。

「Imaginary affair」は歌詞が、全部と言える程キャラクターの視点や気持ちになっていてすごく奥が深いですね。

初めて聞いてから随分経ちましたが、それでも色褪せない自分の中の名曲です。
| 2011/09/06 11:32 PM
皆様こんな古い記事にコメントありがとうございます。
記事を作ってから5年も経ちましたが、未だに聞くとしみじみとしてしまいます。

あれからI'veの曲も色々と出ましたが、それらと比べても全く色褪せませんね。
すごいことだと思います。
nakatomo@管理人 | 2011/09/10 11:06 PM
「転がる坂道」とはなんでしょうか?
余命が知らされた人生のことです。
| 2011/09/15 10:14 PM
もう管理者はこの投稿を見ることはないのかもしれません。
いいえ、この投稿自体、誰も見ることはないのかもしれません。

貴方の歌詞の解釈に胸を打たれ、度々この記事を眺めていました。わたしの心の穿った貴方の言葉の一つ一つは忘れることはないでしょう。

最初で最後の投稿から約十年が経ちましたが、感謝の言葉を書き置いておきたいとおもいます。
ただの自己満足です。
また、ここに書き残す言葉があれば、伝わるか分かりませんが、徒然と文字を残しておきたいと思います。

ありがとうございます。
犁磴韻伸瓩氾蟾澆靴真擁 | 2017/02/05 03:59 PM

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